「辞める」という決断は、なぜこんなに難しいのか
仕事を辞めたいと思いながらも、「もう少し頑張れば変わるかもしれない」「辞めたら後悔するかも」と踏み切れない方は多いものです。でも実際に退職を経験した多くの人が、後になって「もっと早く辞めればよかった」と話します。
ここでは、さまざまな事情で会社を辞めた人たちの経験をもとに、退職がもたらした変化と気づきを紹介します。
ケース1:長時間労働で体を壊す前に辞めた20代男性
入社3年目のSE。連日の深夜残業が続き、休日も呼び出されることが珍しくありませんでした。「石の上にも三年」という言葉を信じて耐え続けていたものの、ある朝、出社前に動悸と吐き気が止まらなくなり、心療内科を受診。医師に「このまま続けると回復に時間がかかる」と言われたことで、退職を決意しました。
「辞めた直後は罪悪感もあったけれど、2ヶ月ほど休んで転職活動を始めたら、自分がいかに消耗していたかに気づきました。今の会社では定時に帰れることが普通で、仕事が楽しいと感じる日が増えています。」
気づき:体のサインを無視し続けることは、キャリアにとっても長期的にはマイナスになります。体を守ることが最優先です。
ケース2:人間関係に疲れ「自分らしさ」を取り戻した30代女性
大手小売業で10年勤務した女性。直属の上司からのモラルハラスメントが続き、職場での自己否定感が積み重なっていました。退職を切り出したときも「あなたには他で通用しない」と言われましたが、それでも退職を貫きました。
「辞めてから半年間は、本当にゆっくり休みました。その後、小さな会社に転職したのですが、『あなたの意見を聞きたい』と言ってもらえる環境が、こんなにも嬉しいものかと実感しました。」
気づき:「自分には価値がない」という感覚は、職場環境が作り出したものであることがほとんどです。環境が変わると、自己評価も変わります。
ケース3:やりたいことのために思い切って辞めた40代男性
大企業の営業職として安定した収入を得ていたものの、「このまま定年まで同じことを繰り返すのか」という漠然とした不安が膨らんでいました。副業で始めていたWebデザインが軌道に乗ってきたことを機に、思い切って独立。
「収入は最初の1〜2年は不安定でしたが、自分でコントロールできるという感覚が何よりも心地よかった。仕事を選べること、断れることの大切さを今は実感しています。」
気づき:安定を手放すことへの恐怖は自然な感情です。ただし「準備」があれば、その恐怖は大幅に和らぎます。
共通して見えてくること
3人のエピソードを通じて見えてくる共通点があります。
- 辞めた直後は不安や罪悪感を感じることが多いが、時間とともに落ち着く
- 環境が変わると、自分の本来の状態を取り戻せることが多い
- 「辞めなければよかった」より「もっと早く辞めればよかった」という声の方が多い
辞める決断は「終わり」ではなく「始まり」
退職はゴールではなく、新しいキャリアや人生の出発点です。悩み続けることにも意味はありますが、心身への負担が大きくなってきたら、「辞める」という選択肢を真剣に考える時期かもしれません。あなたの決断を、このサイトは応援しています。